松ケン主将の適応策ブログ#4 【千鳥のききめ】

【千鳥のききめ】


千鳥足、と言えば酔っ払いがフラフラと歩く様のたとえ。しかし、鳥の千鳥は千鳥足ではないようです。

YouTubeなどに千鳥の動画はたくさんありますが、フラフラというよりはチョコマカと可愛く歩いています。ただ、真っ直ぐではなくジグザグに動きます。

千鳥は足が三本指で安定しないとか、卵やヒナを守るために傷ついたふりをする「擬傷」をする姿から千鳥足となったとする説もあるようです。

千鳥足の真相ははっきりしませんが、モノをジグザグに置いていくことはよく行われていて、「千鳥〇〇」と呼ばれています。

例えば畑作をするときジグザグ2列に種を蒔いていく「千鳥蒔き」。スペースが有効活用でき、風通しをよくしたり間引きがラクなどのメリットがあるそう。

また、ブロック塀などを作るとき中に入れる鉄筋をジグザグに配置するのが「千鳥配筋」。やはり同じスペースならより密に配筋できるのが利点。

道の両端に置かれる街路樹でも「千鳥配置」を見かけます。その方がより枝が広がりやすくなり、木陰も大きくなる傾向があります。

「暑い」熊谷で2018年9月に開催されたラグビーワールドカップ。「おもてなし」として暑熱環境の緩和を目指して埼玉県は会場の公園街路改修を行いました。

まさしく「適応策」の実践です。このときCESSは海洋研究開発機構(JAMSTEC)と協働で、スーパーコンピュータによる対策シュミレートを行いました。

詳しいことはこのHP内にも記事がありますのでこちらを参照いただきたいのですが、その結果採用されたのが街路樹の「千鳥配置」でした。

これにより40%もの木陰の創出ができると試算。施行後の2018年9月に行なった検証作業では、表面温度が15℃も低くなるなどの成果を確認しています。

早いものでそれからすでに4年が経ち、葉の茂りもより大きくなっています。夏の暑い熊谷でぜひ「千鳥のききめ」を味わってみてください。


上部へ