松ケン主将の適応策ブログ『傘がないなら作りましょう。』#12

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【気候変動で季節がなくなる?~桜、咲いた?散った?】


梅、桃、木蓮、桜、躑躅、藤、紫陽花…春から夏、順番に花が咲いていきます。風情があっていいです。しかし。もし、この花が一度に咲いたらどうでしょう?食べ過ぎで胃腸薬が欲しくなりそうです。

やはり腹八分がいいですよね。でも最近、梅が咲いたと思ったらあっという間に桜の開花を目にするようになった気が…桜がまだ咲いているのにツツジが開いていたり…

気になって調べてみました。観測記録のある1953年から今年までの熊谷の桜の開花日と満開日は図のとおりでした。(気象庁HP「生物季節観測の情報」より作成)

一見しておわかりのように、開花日、満開日ともに明らかに早くなっています。3月中に開花した年の割合は、2000年以前は3分の1でしたが、21世紀に入ると8割を超えます。

桜の開花日は埼玉では3月がもう「常識」になってしまっているのです。

主将は1980年、県立越ヶ谷高校に入学しましたが、その時残っていた木造校舎と満開の桜を今でもはっきりと覚えています。

その日は4月9日。なぜか越ヶ谷高校、入学式が他の高校より1日あと。春休みが一日長いことに優越感に浸っていたので日にちまで記憶してます。

データを見るとその年の満開日は4月10日とこの記憶を裏付けます。しかし、入学式=桜満開だったのは80年代まで。

90年代に入ると入学式の頃には桜は散ってしまうようになり、21世紀で満開だったのは2012年だけです。桜は春休み中に咲いて散る、というカレンダーになっているのです。

ここ数年は新型コロナの影響で花見もできない春になっていますが、そういえば近年花見の人の数がやたら多い印象があるのは春休みと重なるようになったからなのでしょうか。

桜は花が散ったあとすでに次の芽の元ができていますが、秋になり葉が落ちるといったん休眠状態に入ります。そして一定期間寒さが続くと目を覚まし(これを「休眠打破」と呼びます)そのあとは気温上昇に応じて成長、開花となります。

「休眠打破」の後、春の気温が高いと成長が早く、それだけ早く開花すると考えられています。

新しいランドセルを背負っているのか、背負われているのか、満開の桜の下を走る可愛い新入生、という絵はもう見られないのかもしれません。

それに慣れていくのが「適応」なのかもしれませんが、風物詩が失われていくのはちょっとさびしい、ですね。

(上述の気象庁のページには桜以外にも梅や紫陽花の開花日などのデータが出ていますが、桜ほどデータは豊富でなく、近年開花が早まっていると言えるようなデータはありませんでした。)


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