松ケン主将の適応策ブログ#9 【冬の気候変動適応策を考える】
【冬の気候変動適応策を考える】
以前うどんの汁はどこで関東風と関西風が変わるかを調べたTV番組をみたことがあります。駅の立食いうどんを東と西から順番に食べて調べる、というものでした。
結論は電気の周波数が変わる富士川あたりと同じだったと記憶しています。
それでは、冬の備えであるスタッドレスタイヤの装着率が多数となる、50%を超えるラインはどこにあると思いますか?たぶん埼玉県なのではないか、と思います。
スタッドレス履き替えというコスト負担が雪の回数に見合うと考える人がだいたい半数という感覚があるからです。ちなみにCESS事務局では見事に50%でした。
現在の雪の頻度が減ればおそらく50%のラインは北上すると思われます。温暖化によりその可能性は高いと言えるでしょう。
さて、このブログで3回にわたって述べてきましたが、温暖化による気候変動で豪雪や冬季の大雨の可能性が増します。それによる「適応策」を少し考えてみましょう。
実は「適応策」を考える主要因は高温と大雨なので、おのずと夏が想定の中心となっています。冬季の「適応策」が話題となることはほとんどありません。
このセンターのページでも載っているのは高温対策。国全体でも「冬の適応策」は少雪の生態系や農業への影響回避、スキーなどの観光対策が挙げられているだけです。
それでは、まず豪雪。もともと雪の多い地域では積雪の総量だけでなく、日単位など短い時間での大雪対策も重視することが必要となってきます。
関東地方南部のように一冬でせいぜい数回の積雪という地域ではどうか。回数はそれより減るのに降ったら大雪になるということが考えられます。
雪の頻度が減ればどうしてもそれに備える意識は減ります。上に述べたスタッドレスタイヤの装着率が下がるであろうというのが一例です。
つまり、雪の備えをすることは現在よりもっと経済的に合わなくなることに。しかし、そうなるといったん雪が降ったら外出はほぼ不可能になってしまいます。
ただずっと雪が降り続くことは考えにくく、せいぜい1日、2日。そうなると雪が降ったら家にいるのが正しい、ということになります。
昨今テレワークやオンライン会議などが増えました。そうしたことのさらなる推進がまずは頻度の少ない大雪への「適応策」として考えられます。
結局は雪が降ったら外へは出ないという意識を高めることこそ、コストもかからずかつもっとも重要な「適応策」かもしれません。
一方、冬場の大雨の方はどうか。埼玉では今までになかった事態と言えます。冬は雨はほとんど降らない、降っても量は少ないからです。
ただ大雨対策としては夏季と変わるわけではないので、オールシーズンある、と意識することが大事になってきます。
夏と違うのは寒さでしょう。例えば避難時。大雨だと濡れる可能性があります。夏ならそれほど気にならないでしょうが、冬場だとこれはかなりきつい。
寒さで避難そのものを躊躇することも考えられます。イメージのなかった冬の大雨中の避難行動をどうすべきか、重要な「適応策」と言えそうです。
ちなみに。即席うどんの東西の分かれ目はもっと西、関ヶ原なのだそうです。
最近はネットなどで両方手に入るようなので、うどん食べ比べながら夏冬両方の「適応策」を考え比べ(?)しようかと思います。