松ケン主将の適応策ブログ#13 【暑い夜、エアコンはON?OFF? ~適応策と緩和策のトレードオフ】
『暑い夜、エアコンはON?OFF? ~適応策と緩和策のトレードオフ』
ネタ探しにウェブの記事を拾い読みしていたらちょっと気になる記事を見つけました。
ナショナルジオグラフィック 2022.5.29付けの記事です。
「温暖化で睡眠時間が減っている、世界規模の調査ではっきり」とあり、温暖化の影響による気温上昇により睡眠時間が削られているというものでした。
たしかに暑くて寝苦しい夜はあります。けれど翌朝あまりよく寝られなかったと思う日はあっても、睡眠時間が何分減っているという意識まではさすがにありませんね。
そういう意味でこの記事で「15分」削られている、という結果がでたというのは、「15分?たったそれだけで問題?」という思いとともに興味深いものがありました。
15分の影響はさておき、この記事を温暖化対策ということから考えると適応策と緩和策のトレードオフという問題に突き当たります。
適応策の観点からは健康を守るためにはやはりエアコンをつけて寝るのが正しいです。けれど、そうするとその分エネルギーを消費し、緩和策としてはネガティブということになります。
さて困った。温暖化対策を考える上ではどちらを優先すればいいんでしょうか。
緩和策と適応策のトレードオフという問題には考えなければならないことがたくさんあります。
しかしいずれにせよ、プラマイゼロのような完全なトレードオフになるわけではなく、ケースによってどちらをより優先すべきか、です。
人が幸せになるために重要な健康を損ねる緩和策は正しいとは思えません。場合によっては命に関わることにもなります。
結局、適応策と緩和策のバランスを考えた行動がこれから大事になってくるという「やや平凡」な答えに落ち着きます。
こうした気候変動の影響の研究は、そのバランスをどう取っていけばよいか、について大きな示唆を与えてくれるはず。
「15分」は大したことないのか、それとも一大事なのかということより、その示唆こそがより重要なのではないでしょうか。
熱帯夜は持続可能な地球のことにも思いをはせつつ、エアコンで快適な眠りに入って、素晴らしい未来の夢をみるのがいいな、と思います。
おやすみなさい。ZZZZZZZZ…